「下らない」と「下りもの」の語源に隠された、京都と江戸の上下関係
京都には他県に類をみないほど、数多くの名品、伝統工芸品が存在します。江戸時代にも、京都の品は品質が高かったことから「下りもの」と呼ばれ、これが現在の「下らない」=「品質が悪いもの」という言葉の語源になったのだとか…。
そんな名品を作り続けれた理由を、無料メルマガ『おもしろい京都案内』の著者・英学(はなぶさ がく)さんが解説しています。なぜ、京都には「下らないもの」を作らない、レベルの高い職人が多く存在したのでしょうか?
「下りもの」と「クダラナイもの」
普段話している言葉の語源などを知ることは楽しいものです。
例えば、「下らない」という言葉は、由緒がない、出どころがわからない粗悪なものという意味でした。それに対して、京都から日本全国に広まっていったものは「下りもの」と呼ばれ喜ばれました。
江戸時代、物流は文化の中心だった京都から江戸へ流れていました。幕府は江戸に移って政治の中心であったにもかかわらず、京都産のものをとても高く評価していました。特に伏見の酒は、まさに「下りもの」の象徴だったようです。将軍のお膝元とはいえ、東京で作られるものは、下りようがありません。
そして、京都のモノより品質が悪かったので「下らないもの」となり「クダラナイ」になったそうです。東京産のモノは、「下らん」と粗悪品扱いだったそうです。下る、下らないは、京の都から見てという事だったのですね。
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